ピアノ教本のおはなし

今日は新しくピアノを始めるお子さんのピアノ教本の話を少し。

 

私の子どもの頃は、ピアノを習うと言えば誰もが「バイエル」や「メトード・ローズ」をやっていたような気がするのですが、最近では教本の種類がグーンと増えました。楽器店に行っても、棚にずらりと教本が並び、どれがいいのか本当に迷ってしまいます。

 

もちろんどの教本も長短あり、いちがいに「これがベスト!」というのはないのですが、私の教室では主に次の2点を重視して教本を選んでいます。

 

(1)余計な絵や文字が少なく、見やすいこと。

(2)右手がト音記号、左手がヘ音記号になっていること。

 

(2)は、ピアノの楽譜は普通そうでしょ?と思われるかも知れませんが、初心者向けの教本では意外と少ないんです。小さいお子さんは音部の違う楽譜を同時に読むことは難しく、初めはト音記号だけで・・・という考え方でしょう。バイエルなどもこのタイプです。もちろんその考え方もアリだとは思うのですが、私は「最初からヘ音記号にも慣れておいた方がいい」と思っています。小さくてもお子さんの吸収力はすばらしく、ゆっくり丁寧にやっていけば自然と「ト音記号とヘ音記号」が同時に読めるようになっていきます。

 

・・・と言うことで、私の教室では「バーナム ピアノテクニック(写真左)」を主に使っています。ひとつひとつに「歩こう」「高いところからとびおりよう」など、お子さんがイメージしやすい題名がついています。ただ一つ欠点は、音符が小さいこと。幼稚園のお子さんなどにはちょっと見づらいかな、と感じます。そういうお子さんには「オルガン・ピアノの本(写真右)」を使っています。こちらは音符がとても大きくて見やすく、また、バーナムよりも進度がゆっくりなので、幼児さんでも無理なく取り組んでいただけます。

 

小さいお子さんも、自分で楽譜を見てピアノを弾けると「もっと弾いてみたい!」と思うようです。やってきてね、と言っていないのに「こっちも練習してきたよ!」という声を聞くのは嬉しいですね。可愛い意欲を、応援していきたいと思います。