またまた久しぶりの更新になってしまいました。
先日、母校(お茶の水女子大学)の同窓会主催の行事に、音楽科卒業生有志の合唱団として参加してきました。
歴史の古い大学なので、合唱団のメンバーは大先輩ばかり。合唱団の指揮をして下さったのも、経験豊かな大先輩でした。
本番前の練習。指揮者の方が「ここは、ひとつひとつ音をポツポツと歌うのでなく、なめらかにつなげて歌って下さい。階段でなく、エスカレーターの感じで」と言われたのを聞いて、うまい表現だなぁ!と感心しました。その一言で、その部分がとてもきれいに歌えるようになったのです。
早速、翌週のレッスンでそれを使わせてもらうことにしました。
これまで「音をひとつずつ弾くんじゃなくて、横につなげるように弾いてごらん」などと生徒さんに言っていたのですが、なかなかうまくいかないと感じていましたが、「階段じゃなくてエスカレーターみたいに弾いてみて」と言ってみるとあら不思議!とてもきれいなレガートで弾いてくれました。先輩に感謝です。
そしてまた別の日。練習曲の注意書きに「たっぷりとした感じで弾きましょう」とありました。低学年の生徒さんに「意味わかる?」と聞いてみたところ、「・・・分からない」・・・確かに。どう説明したらいいんだろう、と思っていたのですが、突然ひらめいて「マツコ知ってる? マツコが弾いてるみたいに弾いてみて?」と言ってみたところ、まさに私の思っていた通りの「たっぷりとした音」で弾いてくれました。やった!
マツコさんの、単にビッグサイズというだけでない、どことなくゆったりと優雅な感じが、そこで出したい「たっぷりとした音」というのにぴったりだと思ったのです。
ピアノの音をどう出していくか、単に「大きい音・小さい音」「長い音・短い音」というだけでない音をどう作っていくか、というのを考えたり、伝えたりすることはとても難しいことだと日々感じています。ピアノを教えるということは、それをうまく伝えていく表現力をつけることでもあるんだなと改めて感じました。
そうした表現力の引き出しを、たくさん持っていきたいと思います。